ゲノム編集法を用いて、Gate-16(ゲート16)と呼ばれる宿主分子が、病原体含有小胞を形成する寄生虫「トキソプラズマ」や細菌「サルモネラ」のインターフェロンによる効率的な排除に必須であることを発見しました。
本研究で、
① 正常細胞内では抗病原体因子GBPが細胞内にバランス良く配置されていること
② ゲノム編集法で作製したGate-16欠損細胞ではGBPが細胞内で凝集し不均一な配置となることで、トキソプラズマやサルモネラの病原体含有小胞上への蓄積率が低下し、病原体の効率的な排除が出来ないこと
③ Gate-16欠損マウスでは、GBPの病原体含有小胞への蓄積が低下し、トキソプラズマ感染に劇的に弱くなること
を示しました。
本研究成果は、今後Gate-16の活性を人為的に制御することで、トキソプラズマ症やサルモネラの食中毒の発病を食い止める新規の治療・予防戦略を提供できることが期待されます。