研究内容13

寄生虫の転写因子IWS1がROP18の発現を制御
Toxoplasma IWS1 determines fitness in interferon-γ-activated host cells and mice by indirectly regulating ROP18 mRNA expression
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Hashizaki E, Sasai M, Okuzaki D, Nishi T, Kobayashi T, Iwanaga S, Yamamoto M.
mBio. (2023) 


大阪大学大学院生命機能研究科の大学院生の端崎恵巳さん(博士前期課程)、山本雅裕教授らの研究グループは、寄生虫「トキソプラズマ」のIWS1が重要な病原性因子の発現を制御することを世界で初めて明らかにしました。

 これまでトキソプラズマの病原性因子の研究は、世界的にもトキソプラズマが宿主細胞に分泌する病原性因子にばかり集中しており、それらがトキソプラズマ内で産生されるメカニズムはほとんど不明なままでした。

今回、山本教授らの研究グループは、既報されたインターフェロンγで刺激された宿主細胞内でトキソプラズマが増殖するために必要な遺伝子リストの中に含まれていた、一見すると病原性因子「以外」の候補分子群にあえて着目して、ゲノム編集で一つ一つ遺伝子欠損したトキソプラズマを作製し、宿主細胞に感染させ免疫応答を解析した結果、トキソプラズマの転写調節因子の一つであるIWS1が重要な病原性因子の一つであるROP18の遺伝子発現を制御し、高い病原性を決定していることを解明しました(図1)。

これにより、トキソプラズマのIWS1を標的にした新規のトキソプラズマ症治療薬への応用が期待されます。

論文はこちら。

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