研究内容11

宿主のCXCR4は、肝臓期のマラリア原虫の分化を制御する。
CXCR4 regulates Plasmodium development in mouse and human hepatocytes.

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Bando H, Pradipta A, Iwanaga S, Okamoto T, Okuzaki D, Tanaka S, Vega-Rodríguez J, Lee Y, Ma JS, Sakaguchi N, Soga A, Fukumoto S, Sasai M, Matsuura Y, Yuda M, Jacobs-Lorena M, Yamamoto M.
J Exp Med. 2019 Jun 12.


マラリア原虫は、蚊を媒介してヒトやマウスに感染し、肝臓を経て赤血球に侵入、さらに増殖してマラリアを引き起こします。しかし、肝臓で起きる昆虫期から赤血球期への原虫の分化に関与する宿主因子とそのメカニズムは不明でした。
今回、山本教授らの研究グループは、
1.肝臓細胞では、昆虫期のマラリア原虫がCXCR4依存的に赤血球期原虫に分化すること
2.CXCR4発現増強により肝臓細胞内でのカルシウムイオン濃度が上昇することが、マラリア原虫の分化を引き起こしていること

3.CXCR4阻害剤を予め投与したマウスでは、マラリアの発症が抑えられ、生存率が改善すること
4.ヒトの熱帯熱マラリア原虫の昆虫期から赤血球期への分化にもCXCR4が関与すること

を明らかにしました。

これにより、既存のCXCR4阻害剤が新しいマラリア予防薬となることが大いに期待されます。

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